備えておきたい身内が亡くなった時の必要な手続とは?|死亡後手続き
親の介護の先、いつか必ず訪れる「親の死」。
葬儀や法要など実際に身内の方が亡くなって様々な手続に取り掛からなければならない場面を迎える時が誰しも必ず訪れるものです。
大切な人を失って深い悲しみの最中に悩むことがないように、身内が亡くなった時にどのような手続が必要でいつまでに何をしなければならないのか、今のうちに何をしておくと良いのかについてをまとめてみます。
身内が亡くなった時の手続
直後に行うこと
🔰死亡診断書・死体検案書(病気以外の理由で死亡した時)の受取
通常は死亡を確認した医師から遅くとも翌日までに死亡診断書を交付してもらいます。生命保険会社に提出を求められることもあるので、加入している保険会社の数分はコピーを取っておくのが良いでしょう。
🔰死亡届・火葬許可申請書の提出
提出は亡くなった事実を知った日から7日以内に、亡くなった方の死亡地か本籍地、もしくは届出をする方の所在地の市町村へ提出します。提出できる人は親族、同居者、家主、地主、後見人などです。死亡診断書と印鑑が必要です。
死亡届と火葬許可申請書は同時に提出しましょう。手続後に火葬許可証が交付されます。火葬は死後24時間を経過していなければ行うことができません。
火葬が行われると火葬場から埋葬許可証が交付されます。
🔰年金受給停止の手続
亡くなった方が年金を受給していた場合、年金受給停止と支給されていない年金を受給する手続を行います。(請求先は最寄りの年金事務所)
生計を同一にしていた方が亡くなった場合は、受給していた年金の種類を確認し、遺族が受給できる年金や一時金があれば請求する手続を行います。(厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内)
支給要件や遺族要件の詳細については機会をみて別の記事で紹介しようと思いますが、年金は5年、一時金は2年という時効があり、請求期間を過ぎると受け取れなくなるので要件を確認して速やかに必要な手続を行うようにしましょう。
(参照:親がもらっている年金額を知るには?|年金振込通知書を確認しよう)
🔰健康保険の諸手続
健康保険の被保険者が亡くなった場合、資格喪失の手続を行って健康保険証を返却します。
国民健康保険に加入していた場合は国民健康保険資格喪失届を、75歳以上であった場合は後期高齢者医療資格喪失届を、要介護認定を受けていた場合は介護保険資格喪失届をいずれも14日以内に提出しなければなりません。(提出先:故人が住んでいた市町村役場窓口)
🔰世帯主変更の手続
亡くなった方が世帯主で2人以上の世帯員が残った場合、世帯主に変更が生じた日から14日以内に世帯主変更届(住民異動届)を提出し住民票の世帯主を変更する必要があります。
🔎残された世帯員が1名の場合、届出の必要はありません。
落ち着いたら行うこと
🔰戸籍謄本の取得
通常は身内の方が亡くなった時点で相続開始となります。身内で誰が相続人なのかその範囲や順位、割合などについては「相続者は誰なのか?|相続者の範囲と順位・遺留分とは?」を参考にして下さい。
相続の手続や届出を行う際、相続関係を証明する戸籍謄本等の提出を求められることが多いです。戸籍を用いて正確な相続関係を確認する必要があるためです。
ここで注意が必要なのは、死亡事項が記載された戸籍(除籍)謄本のみでは相続関係を証明するのに十分ではないことです。戸籍は転籍や婚姻などによって都度新しく作られますが新しい戸籍に抹消された情報が引き継がれません。相続関係を証明するためには、亡くなった方が一生かけて作られたすべての戸籍を取得して証明する必要があります。
🔰住民票(除票)の写し取得
様々な手続を行う中で、亡くなった方の最後の住所地を証明する住民票(除票)の写しを求められることがあります。
🔰電気・ガス・水道・固定電話・携帯電話・インターネットなどの支払方法変更・停止
銀行で亡くなった方の口座を凍結すると公共料金等の自動引落しができなくなりますので早めに手続をしておくと良いでしょう。
🔰葬祭費・埋葬料の支給申請
国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合には葬祭費が、会社で健康保険に加入していた場合には埋葬料が支給されます。
葬儀を行った喪主に対して支給されるもので、一般的には葬祭費は3~5万円、埋葬料は定額5万円が支給されます。
葬儀を行った日の翌日から2年以内に請求しないと時効で消滅してしまうので注意が必要です。
🔰免許証・パスポート等の返却
運転免許証は、原則として最寄りの警察署窓口で返納手続を行います。(返納しなくとも更新手続を行わなければ自動的に失効します)
パスポートを持っていた場合はパスポートと死亡事実が確認できる書類を持参して最寄りのパスポートセンターに届け出ます。
🔰クレジットカード類の解約
手続方法はカード会社によって異なるため、それぞれのカード会社に問合わせて手続を行うと良いでしょう。
必要に応じて行うこと
🔰相続手続関係
- 遺言書の検認申立(自筆遺言書の場合)(参照:遺言書の書き方|遺言書の種類と作り方・公正証書遺言の手続きと流れ)
- 遺産分割協議(調停)
- 相続放棄・限定承認(3ヵ月以内)
- 預貯金・有価証券の相続手続
- 生命保険の保険金受取手続
- 不動産・自動車の相続手続
- ゴルフ会員権などの相続手続
🔰年金関係
- 未支給の年金の受給手続(死亡月まで支給されます)
- 遺族年金等の受給手続
🔰税金関係
- 所得税の準確定申告(4ヵ月以内)
- 相続税の申告(10ヵ月以内)
終活とは
終活とは、人生の終わりのための活動の略のことです。死ぬまでのことと死んだ後のことの準備を意味しています。準備は自分が対象であり、遺る家族も対象に含みます。
自分らしく人生を締めくくるための準備であり、気力・体力・判断力が必要となるため早く準備するほどメリットが大きいといえます。
🔰自分が死ぬまでのこと
- 医療・介護・終末期医療の希望(参照:介護離職しないための対策|親と沢山コミュニケーションを取っておく)
- 財産や所有物の管理と整理(不動産・預貯金・有価証券・生命保険等)
- 判断能力喪失後の支援(後見制度・家族信託等)
- 住まい・施設の希望(参照:高齢者住宅の選び方|高齢者住宅の種類と失敗しない選び方とは)
- 家事の代行(参照:介護保険サービスを受けられない時は?|介護保険外サービスとは)
🔰自分が死んだ後のこと
- 遺言(執行)(参照:遺言書の書き方|遺言書の種類と作り方・公正証書遺言の手続きと流れ)
- 相続の希望
- 葬儀の希望
- 遺骨・墓の希望
- 遺品整理
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まとめ
いかがでしたか?
身内が亡くなった時にどんな手続が必要なのか気にはなっているのにいつかいつかと先送りにしてしまいがちですが、いざという時に家族が困らないように準備をしておき、素敵なシニアライフを過ごしてみてはいかがでしょうか。
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